萬葉集に登場する桜はソメイヨシノではなく「山桜」です。
ソメイヨシノは江戸時代の植木職人が交配させて作った品種です。
つまり奈良時代にはソメイヨシノが存在しなかったわけです。
現在日本の街中などで見られる桜の多くはソメイヨシノですが、奈良県の吉野の桜はそのほとんどが山桜だそうです。
満開の時期の吉野の桜は大変見応えがあります。
機会がございましたら是非吉野まで行ってみてください。

桜という名前の由来は古事記に登場する木花之開耶姫の開耶が起源であるという説
咲く様子がいかにもうららかなので「さきうら」と呼び、それが「さくら」へと転じた説などがあります。

桜の花や葉は塩漬けにして桜湯や桜餅に。
硬い木は材木に。
樹皮はその美しさを活かして細工物に利用される有難い植物です。

萬葉集から一首

見渡せば 春の野辺に 霞立ち

   咲きにほへるは 桜花かも

      作者不詳 巻十 一八七二

訳:眺め渡せば春日野のあたりに霞立ちこめて
  色鮮やかにさいている あれは桜の花でしょうか

奈良県の吉野の山桜

Posted by seiko